茶道で茶碗を回す理由・意味について

抹茶を飲む お茶の基礎知識
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お茶を習ったことのない人でも、

「茶道では茶碗を回してから飲むらしい」

という事をなんとなく知っている人が多いですよね。

茶道を習う前には「なぜわざわざ飲む前に回したりするの?変な作法だなぁ~」

と思ったりしますよね。

では、お茶を習っている方は茶碗を回す理由を答えることができますでしょうか?

たぶん多くの方は稽古が始まると、

「お茶というのはそういうものだ」と思って疑問に思うこともなく、あるいは疑問に思っても質問しづらくて疑問を解決できないままなのではないでしょうか。

「茶事の懐石の時には汁椀を回したりしないよな?なぜ茶碗だけ?」と私も感じました。

他の道具はなぜ回さない?見るときは回さなくてok?抹茶のときだけ?他の流派はどうなの? 

など疑問は尽きません

正直なところ私もハッキリ「これが回す理由です!」

と答えることは残念ながらできないのですが、いくつか知っていることがありますので説明していきます。
(この場合の”回す”とは抹茶を飲む直前に茶碗を回転させることです)

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茶道で茶碗を回してから飲む理由

抹茶碗

私が知っているかぎり、ほとんどの流派で飲む前に茶碗を回すのがルールになっているようです。

茶道で茶碗を回す理由を先に挙げます。

  • 絵の部分を避ける
  • 遠慮の意味
  • 飲み口を濯ぐため

それぞれに解説を書きます。

茶碗を回して絵のある部分をさける

昔、とはいってもすでにテレビのある時代ですがNHKの番組で、ある流派の宗匠が質問されたときに答えたのは

「昔は絵のある茶碗の時にはそこを避けて飲んだが、そのうちにすべての茶碗でそうするようになった」

だったそうです。

お稽古の時、先生にこれと似たようなことを言われた方も多いと思います。

この時の目的は茶碗の絵を汚さないようにするという事になりますね。

ということは、「昔はあくまで絵のある茶碗だけ回してから飲んだので全部の茶碗を回したわけでは無い」ということになりますね。

これが事実なのかどうかわかりませんが、とりあえず以前にある宗匠が言っていたことだそうです。

茶碗に絵があるから回す。

正直なところ、この説明だと私にはシックリきません。

「絵が描いてあるところよりも、仁清写の茶碗とかだったら土見の白い高台の方がよっぽど汚れやすいですよね?」

とか

「全面に絵が描いてあったらどうなります?正面の絵だけ避ければ良いのですかね?」

なんて思ってしまうからです。

遠慮の意味で茶碗を回す

鳥居

また、よく聞く理由では遠慮の表現をする、ということで茶碗の正面を避けるというものです。

「正面は大事なので、あえて避ける」

亭主が出したところなのに です。でも、

「その大事な所をわざわざ正面にして出してくれたんじゃないの?」

という事を思ったりもするので、

「んん~?その理由変じゃない?」と思ってました。

遠慮で回すというのは誰に対する(亭主といわれることが多いです)遠慮なのかシックリこないので私の中で長い間、イマイチ理解ができませんでした。

ですがあるとき、

「神、仏に対しての遠慮ですよ」と聞いた時には

「あぁ、なるほど」

と腑に落ちた気がしました。

なぜかというと、正面というのは例えば神社では神聖な場所になります。

  • 鳥居や参道の真ん中を歩かない

という事を神社で説明を受けたことがあると思います。

本来、鳥居の真ん中や参道の真ん中は人が通る場所ではないそうです。

なぜなら神様が通るので。

ま、そんなことを気にして参道歩いて拝殿に参拝している人はほとんど見かけませんが。。。

茶碗を回すのはそれと同じようなニュアンスだという事です。

お茶を飲む前に押し頂いて、感謝をするという行為とも関係していると考えると、かなり納得がいく考えの様な気がします。

飲み口をすすぎやすくするために茶碗を回しておく

他にも、本を読んでいて「なるほど」と思ったのは極めて実利的な理由からのものです。

お茶をやっていないとちょっと複雑に思えるかもしれませんが、説明します。

多くの茶室は亭主から見て右側に客が座る形(建水が亭主の左側にある)になっています。

ですので、茶碗を時計回りに回して(90度程度)から飲みます。

そうしますと、亭主が茶碗を受け取り建水に左手でお湯を空ける際には、いま客が飲んだ飲み口をすすぎやすいというものです。

この行為には名前がしっかりついているようです。

建水に湯を空けるときには基本的に左手であけることになりますので、自然と茶碗の右側から(客の飲み口から)湯を捨てられます。

もちろん客は飲んだあとに亭主に返す際、しっかりと茶碗の正面を亭主に向けて返す必要があります。

ややこしいのは逆勝手のときですね、マニアックな話しですけど。。

客が亭主の左側に座るとき(建水が亭主の右側にあるとき)は客は反時計回りに茶碗を回さないといけないという事になります(左手で建水にあければその必要はありませんが)。

先ほどの話しからすると、右手で茶碗の湯を空けるときには、客は茶碗の左側で飲まないと成り立たなくなってしまいますよね。

もし今まで、「左勝手、右勝手では飲むときの茶碗の回す方向が違いますよ」と教わった方はいますでしょうか?

もしいたら何流のお茶を習っているのか是非教えてほしいです。非常に興味があります。

茶碗を回す理由まとめ 

ということで茶碗を回す理由は私の知っている限り3つです。

  • 絵のある部分をさけるため
  • 茶碗の正面を遠慮するため
  • 飲んだ飲み口をすすぐため

ま、そんなことを書きましたが、どうやら茶碗を回す理由はいろいろあるようです(笑)。

他にも回す理由として教えてもらうことがきっとあると思います。

ちなみに、貴人や大名が飲むときには茶碗は回さないらしいですよ。

「貴人に法なし」っていいますもんね。

「えぇ?そうなの?」っていう感じですが、こういうのもなんか面白いですね。

「正面の飲み口ならすすぎはできるな。。。ほぅ」

なんて考えてみたり。

ちなみに茶碗を回す方向、つまり時計回りなのか、反時計回りなのか、については流派によって異なりますのでどっちが正しいというのはありません。

また、2回まわすとか、2回半だとか、1回だとかっていうのも流派によって違いますので、これに関しても正しいみたいなのは特にありません。

ということで、今回は 茶道で茶碗を回す理由・意味について という話しでした。

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