茶道には流派を問わず受けることのできる検定というものがあります。
その名も茶道文化検定
茶道文化に関しての総合的な知識を問われる検定で、流派を問わず受験できるようになっています。
毎年、秋の11月らいに試験をしています。
しかし、茶道というのは日常生活からかけはなれているので、お茶になじみのない人は
- 何が勉強できるの?
- どこが主催しているもの?
- 合格すると何の得になるの?
- どのくらい点取ったら受かるの?
- 自分のレベルでも受けられるの?
- どうやって勉強するの?
なんて疑問もあるかと思います。
今回はそんな疑問にお答えします。
※令和三年より新型コロナウイルスの影響で「茶道文化検定Web版」というモノになるとのこと
茶道文化検定は何を勉強できるのか
茶道文化検定で勉強できることは非常に幅広いです。
- 茶のこころ
- 茶の歴史
- 茶事・茶会
- 茶人について
- 茶道具
- 茶に係る禅について
- 茶席の花
- 会席(懐石)
- 菓子
- 茶室と露地
- 茶業について
- 茶陶
ザックリいうとこんな感じです。
いやいや、範囲広すぎだよ!
っていうツッコミもあるかもしれませんが、茶道は日本の総合文化といわれますので、範囲がすご~く広いです。
そんな広い範囲はとても勉強できない!とひるんでしまいそうですが、
大丈夫です!問題ありません!
もちろん、それぞれの分野はモノスゴ~ク深いものがありますが、検定ですべてを深く勉強するわけでもないので、ある程度の深さまで解ってればOKとなります。
興味があればどんどん深いところまで勉強してみてほしいですが、検定ではそこまではやりません。
とはいえ、1級くらいになるとかなり難しい問題になってきますけど。
範囲が広いということは、それだけ日本文化を広範囲に勉強することのできる検定ということです。
ハッキリ言って勉強するだけでもお得だと思います。
裏千家の茶道資料館が検定を主催している
「裏千家」というのは茶道の流派の一つで、千利休の子孫が興した三流派の一つです。
裏千家は茶道における門人数が最大の流派と言われており、規模が大きいです。
その裏千家に所属して資料研究、保存、展観をしている組織が
茶道総合資料館 です。
その茶道総合資料館が主催しているのが茶道文化検定となっています。
茶道文化検定は裏千家のことだけではない
茶道文化検定は裏千家茶道だけを勉強する検定ではありません。
お茶においては流派というのは一つの小さな括りですので、1つの流派のことだけでは茶道全般を勉強したことになりませんよね。
ですので、この検定は茶道文化全般を網羅できるように、流派にかかわらず様々な茶道文化の知識を勉強できるようになっています。
ちなみに教科書もあります。
そもそも、教科書を執筆しているのは裏千家の関係者だけでは無いですので流派のことは特に心配しなくてよさそうです。
ま、多少偏りはあるのでしょうけど。
検定料はいくら?
茶道文化検定の受験量は4級が一番安くて、1級が一番高いです。
令和元年の受験料は
- 1級 7,800円
- 2級 6,000円
- 3級 4,500円
- 4級 3,000円
でした。ちなみに税込みです。
そして令和3年の受験料はWeb版になるということもあってか、安くなっています。
- 1級 5,000円
- 2級 3,000円
- 3級 2,000円
- 4級 1,000円
受験期間の11月5日~11月14日であれば、24時間受験可能らしいです。
これなら忙しい人にも受験するチャンスはありますね。検定のチラシPDFのリンクを貼っておきます。
https://www.chado-kentei.com/210803.pdf
https://www.chado-kentei.com/210601.pdf
ただ、以前と違って認定証は希望者に有料で発行らしいです。。。
合格証で美術館の優待が受けられる
※令和3年からWEB版になるそうなので、優待などの変更があるかもしれません。
茶道文化検定の合格証をもっていると、1年間全国の美術館などで入館料割引などの優待を受けることができます。
要するに、一番最近に実施された直近の茶道文化検定に合格している必要があります。
しかし
- 三井記念美術館
- 茶道資料館
の2か所だけは直近の検定合格証でなくても優待してくれます。しかも優待内容が他の美術館よりも豪華!
過去の合格証もちゃんと持っておきましょう。
注)令和3年よりWeb版の検定になります
<お問合わせ>
茶道文化検定コールセンター
※検定問題に関するお問い合わせは、メールにてお送りいただきますようお願い申し上げます。
TEL:075-221-1503 (10:00~12:00、14:00~17:00 ※土日・祝日・年末年始を除きます。)
E-Mail:support@chado-kentei.com
茶道文化検定事務局のサイトから
茶道総合資料館は誰にでも呈茶してくれる
ところで、茶道文化検定を主催している茶道資料館はだれでも入ることができます。
京都に行ったら茶道文化検定を主催している茶道総合資料館へぜひ行ってみてください。
名前がエラく物々しいので構えてしまいそうですが、展覧会へ来た人には誰にでもお呈茶してくれます。
あ、お金は払う必要アリですが、流派は関係ありません。
「ちゃんとした抹茶なんて飲んだこともない!」という方でも大丈夫です!ホント。
飲み方もやさしく教えて下さるので、未経験の方でも安心してお茶をいただくことができます。
茶道文化検定の合格基準 どのくらい取ったら受かるか
検定は1~4級まで用意されていますが、それぞれ合否の正解率が決まっています。
級 | 合格基準の正解率 | 試験方式 | H30年合格率 |
---|---|---|---|
1級 | 80%以上 | マークシートと記述式 | 12.50% |
2級 | 70%以上 | マークシート | 44.00% |
3級 | 70%以上 | マークシート | 77.40% |
4級 | 70%以上 | マークシート | 86.60% |
- 平成30年11月実施のデータから
2級以下は70%の正解率で合格しますが、1級は80%以上の正解率がないとダメってことですね。
そして、合格率を見ると、級が進むにつれてだんだん難しくなっていくのが解ります。
平成30年の1級は12.5%の合格率ですが、他の年は1%くらいだった年もあるようですので、難しい検定だと思います。
1級を受けている人というのは、2級に合格している人ですからね。
そんな人でも10人に1人から100人に1人程度しか受からないわけですから、1級はかなりの難関だと思います。
ただ、受ける年によって難易度は変わってきそうな感じはします。
最初は何級を受けるべきか
さて、では初めて受ける人は何級から受けることができるのでしょうか。
「茶道の経験マッタクないんだけど…」
という人でも受けられるものなのでしょうか?
3級から受験することができる
茶道文化検定で1番優しいのは4級ですが、3級から受けることができます。
「茶道なんてマッタク、マッッッタクわからない!」
と言う人は4級からでも良いと思いますが、私のおススメは3級からの受験です。
なぜなら、4級はかなりやさしいので。
茶道をしたことが無くても4級ならマジメに勉強したかたならまず受かるとおもいます。
なので、少しハードルが高くなった3級から受けてみるのが良いのではないでしょうか。
というか、
茶道を習ってるかどうかは、ほぼ関係ないような試験問題になってますから
恐れず受けてみてください。
お点前のことなんて全然出てきませんから。
「茶道なんてマッタクワカラナイヨ」
と言う人でも挑戦しがいのある興味深い内容だと思いますよ。
それでも心配だなぁという人は4級・3級の併願もできます!
どっちも受けてどっちも受かっちゃってちょうだい!
2級以上は下の級の合格者でないと受けられない
2級を受けようとする人は3級に合格している必要があります。
同様に、1級を受けようとする人は2級に合格している必要があります。
それから、受かった級でもまた受験することができます(くりかえし受験)ので、腕試しに毎年受験している人も多いみたいですよ。
そして、くりかえし受験は受験料の割引があります!
ちなみに、1級は教科書以外からの出題もありますし、記述式の解答形式が入ってきますので段違いの難しさになってますね。
興味があればだれでも受けられる
お点前に関する出題がないので、茶道をしていなくても受けることができますし、不利にもなりません。
むしろ
「本が好きでよく読む」とか
「歴史のマニアックなの好きなんですよね」
みたいな人の方が有利なんじゃないかと思います。
お茶をしていなくても受けられる検定って、良いですよね。
お点前うんぬんも大事ですが、茶道を習っている人でもお茶に関するお点前以外の知識を学ぶ機会というのはなかなか無いですから。
検定の教科書が無かったら、どうしても茶道に関するマニアックな書籍を読むことになりますが、コレがけっこう手に入れるのに苦労します。
それに、そもそもお茶っていうのは何から勉強して良いのか判りにくいですからね。
茶道文化検定の勉強のしかた
教科書があるので、まずはゼッタイに”公式テキスト”を勉強しましょう!
なぜなら問題はほとんど教科書から出題されるから。
必ず公式テキストは持っておくべきです。
なんなら、過去の年度の教科書でもOKです。
内容あんまり変わってないですし(小声)。
検定の勉強をする際には必ず手に入れておきましょう。
2級までなら教科書に書いてあることをあらかた覚えていれば大丈夫です、受かります。
過去問や問題集が売っている
”過去に出題された問題”や、”こんな感じの難易度の問題が出ます”っていう問題集が売っていますので、これを解いてみると自分の実力が判って良いと思います。
「私は過去の問題なら3級受かるんだな」
と思えば自信をもって受けられると思いますし、「このままでは受からない!」となればちゃんと勉強しますのでね。
毎年新しいのが出ているので、毎年勉強できますね。
割引制度を使ってオトクに受験
受験料の割引をしてもらえるのはこんなかた
- 22歳以下のかた
- くりかえし受験をするかた
- 22歳以下割引とくりかえし受検割引の併用をするかた
割引の併用ができます!若い人ってオトクですね。。。
私も茶道文化検定を受けたことがあります
ちなみに私も受けたことがあります。
検定が始まったころに2級まで受けました。
結構難しくて、なんとか受かった感じでしたね(;^_^A
時間があれば1級を受けようと思ってますが、過去に仕事でどうしても受験会場に行けなくてドタキャンになってしまったので尻ごみしてます。
1級になると過去の問題を見る限り、しっかり勉強しないと受かる気がしません。
2級とは全くレベルの違う問題が出題されてますので。
でも、一番上の級なのでそれくらいじゃないと挑戦のしがいが無いですけどね。
ちなみに過去の問題で
「 山上宗二記で花の上手で知られた堺の茶人は?」
みたいなのがありまして
「 あぁ~、全然わからないわ~」って感じでした(笑)。
過去問を一通り見たわけじゃないのですが、こんな問題ばっかり出てきたら、落ちるのは必至。
しっかり勉強できるときに万全の体制で受けようか、それともとりあえず申し込みをして、勉強せざるを得ない状況にして無理にでも受けるか。。。
悩んじゃいますね。
茶道文化検定のすすめ まとめ
茶道文化に興味を持ってもらうという点でとても良い検定だと私は思います。
受けると勉強しますし、目標もできますしね。
面白いのは歴史の他、茶事・茶会、道具、禅、花、懐石、菓子、茶室、茶業 とホントに色んな勉強ができるということです。
テキストをペラペラめくっただけでも、茶道文化というのは色々な側面があって興味がつきませんね。
日本文化への入り口としてこの茶道文化検定を受けてみるというのも面白いと思います。
あなたも一緒に流派を問わないお茶の勉強しませんか?
コメント