乾山写とは何? 茶道具でよくある用語

乾山和歌短冊皿 茶道具

仁清写と並んで、よく出てくる茶道具といえば乾山写(けんざんうつし)です。

っていうのは形も何もかもソックリってのが本来ですけど、仁清写のときと同様に何もかもがソックリでなくても乾山写となります。

むしろソックリそのままでないことの方が多いのは仁清写のときと同様です。

仁清写についての記事で、「写」については書いたので写がよくわからない時は読んでみてください。

さて、ソックリそのままでないとすれば、どういうものが乾山写ということになるのでしょうか。

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乾山写とは

乾山の器の特徴を持ったものがいわゆる乾山写と呼ばれます。

  • 乾山風の絵
  • 乾山風の形
  • 乾山風のデザイン
  • 乾山風の釉下色絵

これらの特徴を一つでも持っていれば乾山写と呼んでいることが多いです。

乾山写を知るには乾山の特徴を知っておかなければいけないので、乾山がどういった物なのか解説しながら進んでいきます。

乾山風の絵

乾山の特徴の一番目は絵です。

乾山の器の絵は構図や書き方など非常に独特です。

と言っても実は、乾山作の器のすべてを乾山が描いているわけではありません

いわゆる鳴滝乾山の時代は兄の尾形光琳が描いているといわれてます。

また、絵師を雇っての絵付けもさせていたという事ですので、乾山作となっているものは同一人物が書いている絵というわけではありません。

同じ人が描いていないなら、「絵では乾山風かどうかよくわからないじゃないか」という気もするかもしれません。

ですが、乾山の作品を色々とみている人なら「コレ乾山風の絵だよね」というのがわかるようになってきます。

よく見るのは文様を抽象化して描いている物です。

例えば、菊や梅の文様。

光琳菊光琳梅と呼ばれる、写実的とは対極的な文様が描かれていたりします。

MIHO MUSEUMのリンクを貼ったので抽象的な梅の文様を確認してみてください。

乾山槍梅茶碗のリンク(MIHO MUSEUM)

そんなわけで、乾山写の器はたいてい乾山風の絵が描かれています。

乾山風の形

乾山の茶碗の特徴になりますが、乾山形茶碗というものがあります。

「 写」ものでこの半筒形になっているものはあまりありませんが、この形になっていたら乾山の写を疑うようになると良いと思います。

自分の持っている乾山写茶碗がこの形になっていたらラッキーかもしれません。

特徴は胴部がほぼ垂直になっていて、絵が見やすいです。

そして、口縁は鉄釉でグルっとふちどりみたいな輪がかいてあり、腰はカクっと(語彙力…)なっていて、輪高台です。

この形の乾山写が少ないのはなんででしょうかね。

今のお茶やっている人には「筒茶碗に見えてしまうので買ってもらいづらくて、作家さんは売れないと困る」ってことなんでしょうかね。

推測ですけど。

乾山の茶碗を見たらどんな形をしているか美術館で確認してみてください。

もちろん、この形以外の茶碗もあります。

それから、向付に乾山独特の形の物があります。

花の絵の形の器の形だったり、楓の葉の形だったりというのを見たことがある人は多いと思います。

これもよく美術館に出ているので、見る機会は多いと思います。

乾山風のデザイン

乾山に詳しい人であれば、乾山の器の特徴を知っているので箱を見なくても、また箱に乾山写と書いてなくても判ると思います。

仁清、乾山は茶道具においてあまりにもスタンダードになっていて、箱にわざわざ「乾山写」と書いて無い物も多いですね

さて、乾山風のデザインという物はどういったものでしょうか。いろいろあると思いますが、代表的なモノを挙げます。

一つ目の乾山の器のデザインの大きな特徴は「書」が器に書いてあることです。

もちろん、書いて無い物もあるのですが。

でも、字を器に大きく書くって他の作り手にはあまり見られませんね。

ちょこっとじゃなく、かなり大きく漢詩を書いてます。書銘もデカいです。

乾山銹絵染付山水図茶碗のリンク またまたMIHO MUSEUMのページに参考になりそうなのがありましたので、ぜひみてください。

これがいわゆる乾山の茶碗にのある典型的なデザインになってます。

また乾山の角皿にもが書いてあるあるのをよく見ると思います。

絵だけじゃなく書も鑑賞の対象にしないといけないわけです。

ですが、写になると茶碗に書があるものをほとんど見ることができません。とても残念ですね。

他の代表的な特徴は縁取りです。

乾山形茶碗のところでも書きましたが、口づくりのところに鉄釉で縁取りがしてありますし、

角皿の縁にも縁取りがしてあります。

乾山のお得意なパターンだと覚えておくと良いと思います。

乾山風の釉下色絵

乾山は仁清の技法を学んでいるのですが、仁清と違って「釉下色絵」という技法で絵を描いています。

仁清の色絵は釉の上に絵を描く「釉上色絵」になっていて、乾山の技法とは異なります(とはいえ、乾山は色々と実験しながらいろいろな物を作っているので一概に言えない所ですが)。

ですので、現在の茶道具を作る作家さんの中には下絵付けで色絵をしている器は乾山写としている人もいるそうです。

乾山は仁清がやっていた上絵付の技法だと、うまく自分の表現ができないと思ったんでしょうかね。

たしかに乾山の器は仁清の物とは全く違う雰囲気が出ていますよね。

乾山写とは まとめ

乾山写とは乾山の特徴を写した器のことです。

  • デザイン
  • 技法

これらに乾山の雰囲気が出ていれば、乾山写になるということですね。

乾山の本物は手に入れることはなかなか難しいので、似ていない乾山写よりもどうせなら乾山にソックリな茶碗が欲しいものですね。

上に挙げたような特徴を持っている乾山写を買うと失敗しないんじゃないかと思います。

ですが、「乾山をみたらニセモノと思え」なんて格言がありますので、

「乾山の本歌見つけた~!」と思っても気を付けてください。

本歌ってのは乾山本人が作った本物ってことです。本物はなかなか手に入れられませんのでご注意を。

ちなみに、乾山写がうまいことで有名なのは白井半七がいます。

半七は乾山の本歌を見せられながら、作ったというエピソードもあって興味深いです。

乾山に限りませんが、写というのは奥の深い世界ですね。

いずれにしても、美術館などで乾山の本物をよく見ると写に関しても色々解ってくるんじゃないかと思います。

ぜひ本物を沢山みてください。

以上、乾山写とは何? 茶道具でよくある用語 という話しでした。

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