ある程度お茶の稽古に慣れてくると、茶杓などの銘を考えたときに「できれば少しオシャレな銘をつけたいな」と思うときありますよね。
そんな時には植物の異名や別名を使うというのも一つの手です。
季節に合った植物の異名は知的な空気を醸し出せる銘ですので、教養が垣間見える雰囲気美人になるのも夢ではありません。
という事で、年初めの新春1月に使えそうな植物から順番にいきます。
「松」の異名・別名 1月の銘におすすめ
松は神が降りる木とされ、不老長寿の象徴です。異名もたくさんありますので少しでも知っておくと良いと思います。
1月頃の銘として使うと良いかもしれません。
- 常盤草(ときわぐさ)
- 千代木(ちよき)
- 久木草(ひさきぐさ)
- 十八公(じゅうはっこう)
- 五大夫(ごたいふ)
- 太夫(たいふ・たゆう)
- 寝覚草(ねざめぐさ)
- 豊千代草 (とちよぐさ)
- 翁草 (おきなぐさ) 菊の別名でもある
- 鏡草(かがみぐさ) 松の他にもいろいろな植物の別名になっている
- 白雲草(いらくもぐさ)
- 百草(ももぐさ)
「梅」の異名・別名 2月の銘におすすめ
梅は多くの詩や歌に詠まれ、春の象徴となっています。また、その芳香も古来愛されています。
梅は「栂、楳、宇米、宇女、牟女、ムメ」などとも書かれ、知っていれば箱書を読むときに便利です。
2月頃の銘として使うと良いかもしれません。
- 清客(せいかく)
- 花兄(かけい)・花の兄
- 好文木(こうぶんぼく)
- 此花・木花(このはな)
- 君子香(くんしこう)
- 百花魁(ひゃくかかい)
- 春告草(はるつげぐさ)
- 風待草(かぜまちぐさ)
- 匂草(においぐさ)
- 木母(もくぼ) 字を分解したもの
- 香散見草(かざみぐさ)
- 世外佳人(せがいかじん)
- 雪君(せっくん)
- 初名草 (ハツナグサ)
- 香栄草 (カバエグサ)
「桃」の異名・別名 3月の銘におすすめ
桃には厄よけ、魔除けの力があるとして有名です。桃太郎が鬼退治ができるのも納得です。
3月頃の銘として使うと良いかもしれません。
- 御酒古草(みきこぐさ・みきふるぐさ)
- 御酒草(みきぐさ)
- 三千歳草(みちとせぐさ)
- 三千代草(みちよぐさ)
三千年に一度実を結び、食べると不老不死になるという蟠桃(はんとう)は西王母が持っている桃です。
モモの実の季節には「西王母」や「東方朔」なんて銘も良いかもしれません。
「桜」の異名・別名 3月・4月の銘におすすめ
日本の国樹といえば「桜でしょ」ともいわれる、みんな大好き桜です。
3月~4月頃の銘として使うと良いかもしれません。
- 挿頭草(かざしぐさ)
- 吉野草(よしのぐさ)
- 木花・此花(このはな) 梅の異名でもある
- 春告草(はるつげぐさ) 梅の異名でもある
- 夢見草(ゆめみぐさ)
- 曙草 (アケボノグサ・アケボノソウ)
- 仇名草・徒名草(あだなぐさ)
- 色見草(いろみぐさ) 楓の異名でもある
- たむけ草(たむけぐさ)
- 花王(はなのおう) 牡丹の異名でもある
また、枝垂れ桜の別名は糸桜といいます。
春の植物の異名でオシャレな銘を考えよう
という事で今回は1月から4月頃にお茶で登場する代表的な植物の異名を取り上げました。
松・梅・桃・桜の異名だけでも知っていれば、知らない人からすれば教養があるように十分見られると勝手に期待してます。
ま、教養があるように見られたいという下心が透けてみえてダメかもしれませんが(笑)。
夏・秋・冬の植物もまとめられれば良いなと思っています。
コメント