お茶会に呼ばれた時に何が必要なのか、必要な物がわからないということがあるかと思います。
今回はお茶会に必要な持ち物と、それよりも何よりも一番大事な事を解説します。
これさえわかっていれば、どこの流派でも関係なく安心してお茶会に参加できますよ。
お茶会で必要な持ち物
お茶をしていない方が呼ばれる茶会は、ほぼ大寄せの茶会(大人数が参加して一席の時間は3~40分程度の短いもの)だと思いますので、そこで必要なものを挙げて解説を書きたいと思います。
- キチンとした服装
- 懐紙(男性用、女性用があります)
- 菓子切
- 扇子(流派によって種類があり)
- 袱紗
- 白い靴下もしくは足袋
とりあえず、これだけあればなんとかなると思います
キチンとした服装
キチンとした服装というのは、お茶はフォーマルパーティだと思って貰えれば感じが掴めるとおもいます。
女性がまず気をつけなければいけないのは、スカートの丈です。正座をした時に膝が見えてしまうような丈のスカートですと、よろしくありません。
茶会はフォーマルな場ですからあまりくだけた格好もよくありません。たとえばデニム素材の服なんかだと、「え?」っていうような目で見られてしまいますので気をつけましょう。
男性でしたらスーツを着ていけば問題ないですね。ただ、胸ポケットから何かがポロっと落ちないようポケットには何も入れないように注意しましょう。ハンカチーフくらいなら大丈夫です。
万が一にでも自分が落としたものが茶道具に当たってしまうような事が無いようにしてください。
懐紙と菓子切り
お菓子を食べるときに使用するので懐紙の準備が必要です。茶席では必ずお菓子が出てきますがお菓子を乗せて食べるときに使用します。
干菓子が出た場合には菓子切(かしきり)は使用しませんが、菓子切を懐紙に挟んでおくと良いと思います。
ステンレスの菓子切を使用するときにはポロっと落とさないように注意してください。金属の菓子切を道具の上に落としたりしますと、道具を破損する可能性が高いです。
もしも席に入った後に懐紙や菓子切を持ってくるのを忘れたと気付いた場合には、そのことを亭主側の人に伝えると、黒文字を用意してくださると思いますので勇気を出して伝えてみましょう。
必ずと言って良いほど亭主方では準備をしていますので、忘れた場合には用意してもらいましょう。本来は自分で持っていくのは言うまでもありません。
扇子
挨拶をする時など、色々な時に使用しますが、使い方は周りの人達を見てそれにならうと良いでしょう。よくわからなければ使わなくても特に問題無いと思います。
お茶をやっていないと扇子で挨拶する習慣というのはありませんからね。
袱紗(ふくさ)
袱紗ですが、流派によって色々な種類があります。とりあえず男性なら紫、女性なら赤もしくは紅(朱)を持っておけば大丈夫です。
他にも出袱紗(だしぶくさ)や古袱紗(こぶくさ)というものもありますが、流派によって使うものが違うのと、あまり多寄せの茶会には使用しませんので持っていなくても大丈夫なことが多いとです。
白い靴下もしくは足袋
最後に、白い靴下もしくは足袋というのは茶席に入る時に必要なものとしてよく挙げられていますので、身につけて行くか、持参して行って、席に入る前に履き換えるのが良いとおもいます。
本来は席に入る前に履き替えるのが良いです。
男性がスーツなんかですと、靴下は白でなくてもかまわないと思います。スーツ姿の男性が白い靴下を履いているとなんだか違和感がありますのでね(笑)
とりあえず、未経験のかたが茶席に入るための持ち物はこんなものかと思います。
茶席に入るときに不要な物
逆に茶会に参加するときには不要なものがあります。というよりも持って又は身につけて茶席に入ってはいけないといわれるものです。
- 腕時計
- 香水
- 指や腕のアクセサリー類
- 大きな荷物
- 携帯電話・スマートフォン
腕時計やアクセサリーは道具を傷つける恐れがありますので、はずしてから席にはいってください。
香水は付けないのが一番良いですが、ごくごく少量でしたら問題ないかと思います。席中では香をたきますので、その香りの邪魔にならないようにしなくてはいけません。
大きな荷物は言われるまでもないですが、よくカバンを席中に持ち込む人がいますので書いておきます。数寄屋袋といわれるものくらいの大きさでしたら大丈夫です。
かさばる荷物があるときには荷物を預けるようにしましょう。預けるところが無い場合には仕方ありませんが、茶会に行くときには元々荷物は少なくするようにしてください。
携帯電話やスマートフォンなどの音が出る機械は持ち込み禁止です。当然ですが、席中の様子をカメラで撮影するようなこともダメです。道具の写真を撮るのはもってのほかだと思ってください。
一番気をつけなければいけないこと
さて、これで持ち物は大丈夫!
あとは茶席に入ってお菓子を食べて、お茶を飲めば良いだけですのでそれほど難しくありません。
道具の破損は絶対にNG
茶席で一番注意しなくてはいけないのが、道具の破損です。
茶席で使用される茶碗などのいわゆる茶道具と呼ばれるものは高価な物が多いという事を覚えておいてください。
もしかすると、一般でいう高級な食器の何十倍、何百倍もの金額がする道具を使っているかもしれないということを頭に入れておいたほうが良いと思います。
そうすれば自然と動作はゆっくり丁寧になり、割れ物を高く持ち上げたり、指輪をしたまま茶碗を持ったりすることが無くなると思いますので、粗相をする事も防げると思います。
ですので、身に着けているアクセサリー類には重々気をつけてください。
お茶の飲み方、お菓子の食べ方、その他の作法というのは流派によってかなり違うものですので、何回茶碗をどのくらい回すのか、などという事はある程度経験するまではとらわれない方が良いと思います。 (お菓子を取るときの作法が。。とか、お辞儀をするタイミング。。とか)
正直な話し、そういったものはどうでもよいのです。
初心の人が茶席で一番気を付けることは道具に粗相しないことです。
道具の破損さえなければあとはどうにでもなります。
お菓子を正客よりも先に食べてしまったとか、お茶碗を回さずに飲んだ、茶席であぐらをかいた、というようなことは「初心者あるある」ですので大したことではありません。
そういった些細な事に気を取られて、道具に粗相をしてしまう事がないようにすることの方がずっとずっと優先順位が高いのです。
お茶席といえども日常の延長線にある非日常ですから、そんなに緊張する必要はありません。
亭主と正客の会話をしっかりと聞いて茶席の雰囲気を楽しんでみてください。きっと何か良い発見があると思います。
長い間大切に守り伝えられてきた道具を目にしたり、手にしたりする機会は茶席という空間でなければなかなか味わえるものではありません。
そういった意味で茶会というのは特別ですが、茶会に来てくれたお客様を一生懸命もてなそうとする席主との時間を気軽に楽しんでみてください。
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