竹の蓋置を使う点前か?竹以外の蓋置か?のルール【裏千家茶道】

竹蓋置 お点前
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今回はお点前で使う「蓋置」についてです。

どんな点前の時に竹の蓋置を使って、どんな点前のときに竹以外の蓋置を使うのか?というのは意外と忘れがちです。

なんとなく覚えているようでも、勘違いして間違えてしまったりしますので、ややこしいですね。

お茶のお稽古を始めるとたいていは運びの点前から習いますので、いつでも竹の蓋置を使用すると思いがちです。
ですが、実際は設えによって竹の蓋置を使うのかそれ以外の蓋置を使うのかが変わってきます。

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竹の蓋置を使用する点前

「運びの点前」は竹の蓋置を使用するというのがルールとなっています。

”運び”というのは、水指を運ぶ点前ということです。
竹の蓋置を使うかどうかの判断は「水指を運ぶのか運ばないのか」で覚えておけば、ほぼほぼ間違えることはありません。

つまり、水指を畳の上に置くのか、もしくは棚などの地板に乗るのか、で判断をするとほぼ正解になるという感じです。

注意点としては、”棚を使うのかどうかでは無い”という事がポイントです。
とはいえ、実は例外もあります。
ですが「例外もあるよ」と頭の片隅にでも覚えておけば無視して良いレベルだと思います。

さて、一般的には「棚の点前の時には竹ではない蓋置を使います」という説明をされがちなのですが、実は棚のアリナシで判断すると間違える場面が意外に多く出てきます。

棚を使う点前でも、竹の蓋置を使用する場合が意外にあるからです。
棚を使うのに竹の蓋置を使用する点前というのはどんな場合でしょうか。

棚なのに竹の蓋置をつかう場合

棚の点前でも水指を運ぶ棚の場合には、竹の蓋置を使用します。

いわゆる”運び棚”とか言われるものです。
わかりやすいのは地板の無い棚です。

寒雲卓(かんうんじょく)

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寒雲卓は地板のない小棚で円能斎の好みです。
名前の似ている物に寒雲棚という大棚がありますが、水指を畳に置く点は変わりません。

他にも地板の無い小棚で猿臀棚(えんびだな、えんぴだな)、独楽棚、おつぼ棚、香狭間棚、円融卓というものがあります。
畳に水指を置きますので、蓋置は竹です。

五行棚(ごぎょうだな)

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中置専用の棚で玄々斎の好みです。
棚の地板には風炉釜を乗せる棚になっています。

棚に地板はありますが、水指を乗せる為のものではありませんので、水指は運びになります。
運びなので、蓋置はやはり竹になります。

釣棚・仕付棚 (つりだな・しつけだな)

小間の茶室の点前座でよく見られるような仕付棚・釣棚では竹の蓋置を使います。

一重棚、二重棚、雲雀棚、釘箱棚、なんかがそれです。

水指を運ぶ点前になるので、竹の蓋置を使うという事ですね。

水指を運ばないのに竹の蓋置の場合(例外編)

水指を運ぶと竹の蓋置、運ばないと竹以外の蓋置と言ってきましたが、やはり例外もあります。
水指を運ばないのに竹の蓋置を使うという点前ですね。

教本に載っている点前では「長板の二つ置」がそれです。
長板の二つ置の点前では竹の蓋置(白竹で在判)を使用します。

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間違いやすいですが、「長板の総荘」と「長板の二つ置」は異なる点前です。

長板の総荘は基本的に皆具を使用することが多く、竹の蓋置ではありません。
それに対して長板の二つ置は長板の上に風炉釜、水指だけを置きます。

ということで、竹の蓋置を使うのか、それ以外の蓋置を使うのかについて書きました。

覚え方はシンプルに「水指を運ぶかどうか」で覚えた方が良いかと思います。

似たようなややこしい話しに、「どんな場合に湯返しをするのかしないのか」問題もありますので、そのうちそのへんも書きたいと思っています。

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