茶道の点前を覚える時には「このときはこうする」というパターンを知っておくと、かなり簡単に覚えることができると思います。
今回は裏千家のお点前で「拝見を」と言われた後のパターンについてです。
実は拝見を請われた後のパターンというのはほぼ3種類しかありません。
- どんな時に
- どう変わるのか
という事さえ覚えておけば、ほぼすべての点前に対応できます。
「拝見を」の後のパターンはコレ
裏千家の点前(お茶を点てる点前)では、拝見を請うのは一部の例外を除いて「水指の蓋を閉じたタイミング」で行います。
拝見を請うセリフは薄茶や濃茶、道具の種類などによって異なりますが、その後の亭主の行動というのはほぼ決まっています。
実は、拝見を請われた後に扱う道具のパターンは3種類なのです。
これでほぼ99%以上は対応できます。
拝見を請われたときに扱う道具のパターン
- 「柄杓・蓋置」
- 「蓋置・火箸」
- 「蓋置」
それではどんな点前でどのパターンになるのかを見ていきます。
「拝見を」の後は9割以上は ”柄杓・蓋置”
ほとんどの点前では
- 拝見請われる → ”柄杓・蓋置”
となります。
もう少し詳しく書くと、拝見を請われたら運びの場合や濃茶の場合には ”柄杓を建水へたたんで、蓋置を建水の下座へ置き” ます。
薄茶で棚に柄杓蓋置を飾る場合には、”柄杓を棚に飾り、続いて蓋置も棚に飾ります”。
柄杓・蓋置の行き先は点前によって少し変わりますが、柄杓・蓋置を移動するという行為は変わりません。
具体的にどんな点前でこれが行われているのかというと
- 薄茶・濃茶
- 貴人点・貴人清次
- 荘もの・長緒茶入・重茶碗
- 包帛紗・大津袋
- 四ヶ伝・和巾
など、という感じです。
このパターンは薄茶から四ヶ伝、さらには一部の奥伝の点前でも行われているパターンです。
他のパターンは忘れても良いですが、「拝見を」→「柄杓・蓋置」のパターンだけはゼッタイに覚えておくべきです。
これで9割以上のお点前に対応できます。
台子・長板の総荘では ”蓋置・火箸”
他のパターンも見て行きます。
「拝見を」と言われて ”蓋置・火箸” になるパターンは台子・長板の総荘(そうかざり)です。
”蓋置・火箸”をもう少し詳しく書くと、
蓋置を地板の元の場所に戻して、火箸を杓立てに戻します。
台子・長板にはちょっと特殊な約束が色々ありますが、拝見をいわれたら”蓋置・火箸”というのは覚えておくべきポイントだと思います。
初心者は台子・長板をすることはあまりないと思いますが、中級者くらいになると台子・長板をやるようになりますので、余裕があれば覚えてください。
ちなみに、長板には風炉では”二つ置”と、教則本に無い”一つ置”という点前がありますが、これらは杓立が地板に乗っていません。
そもそも杓立がありませんので、総荘の時の ”蓋置・火箸” ではなく、他の点前同様 ”柄杓・蓋置” になりますので注意が必要です。
拝見を請われた後に「蓋置」の点前もある
奥伝の許状をもらって、奥伝を習うとわかりますが、拝見を請われた後に「蓋置」を扱ってから拝見物を出すというお点前があります。
「蓋置」のパターンは普通の点前ではまず出てきませんが、口伝のお点前を習うようになったら、拝見を請われた後にどういう行動をするのか確認しておくと良いと思います。
拝見を請われた後の所作 まとめ
「拝見を」と言われたあとの行動は特殊な場合を除いて3パターンだけです。
- 「柄杓・蓋置」
- 「蓋置・火箸」
- 「蓋置」
どの場合にどの扱いをするのかを確認しておくようにしましょう。
3パターンも覚えられん!という人は、「柄杓・蓋置」のパターンだけは覚えておいてください。
「柄杓・蓋置」パターンだけでも9割以上対応できますので。
という事で、「お点前で拝見を請われた後の所作【裏千家】このパターンだけは覚えて」という話でした。
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